2018年4月20日金曜日

『セールスマン』

今や世界的に知られるようになった、
アスガー・ファルハディ監督。
彼はイランの映画監督としても、
もっとも有名なのでしょう。

http://tomo-524.blogspot.jp/2015/03/une-separation.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/06/blog-post_75.html

その彼の 2016年の作品、

『セールスマン』

を、遅ればせながら見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=2pzMyDpOijk

高校の国語の教師で、
生徒にも人気のあるエマッド。
そして彼の美しい妻、ラナ。
2人は小さな劇団に属し、
アーサー・ミラーの傑作、
「セールスマンの死」の上演に向けて熱心に取り組んでいました。
そんな折、
なんと住んでいた建物が倒壊しかかり、
やむなく引っ越すことに。
で、劇団仲間が紹介してくれたアパートに越すのですが、
そこで事件は起こります。
「セールスマンの死」のこけら落としの日の夜、
シャワーの準備をしていたラナは、
建物の入り口で鳴らされたチャイムに、
てっきりエマッドだと思い込み、
無防備に鍵を、そして玄関まで開けてしまいます。
が、やってきたのは……
実は、その部屋の前の住人は売春婦で、
男が彼女を訪ねて来たのでした。
事件は起こり、ラナは深く傷つきます。が、
警察に行く気にはどうしてもなれない。
一方エマッドは、残された軽トラックなどを手掛かりに、
独力で犯人を探し出そうと奔走。
そしてついに……
というお話。

前半は、むしろ淡々と進むのですが、
後半になると、その淡々とした感じが、
俄然暗い炎を上げ始めます。
そうなるともう、見るのを止めることはできません。

この映画から何を読み取るのか、読み取れるのか、
それは、見終わったばかりの今は、
まだはっきりしません。が、
後半の磁力は凄まじいものでした。
イスラム社会における、
普遍的な物語でした。

ヒロインのタラネ・アリドゥスティは、
『彼女が消えた浜辺』にも出演していました。
もっと見てみたいです。タラネ・アリドゥスティ