2017年12月4日月曜日

『ブレッド&ローズ』

1984年の、イギリスでの炭鉱デモを題材に、
労働者の問題とLGBTの問題を扱った映画、

『パレードへようこそ』

のことは、以前書きました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2016/09/blog-post_99.html

先週初めて、「ワールド映画ゼミ」でこの映画を見て、
もう一度この映画ことを調べる気になりました。

まずは歌。
この映画の中で歌われる、
感動的と言っていい歌が、

Bread and roses

です。
わたしたちに必要なのは、パンだけじゃない、
バラもまた必要なんだ……

https://www.youtube.com/watch?v=qNQs6gSOkeU

As we come marching, marching in the beauty of the day,
A million darkened kitchens, a thousand mill lofts gray,
Are touched with all the radiance that a sudden sun discloses,
For the people hear us singing: “Bread and roses ! Bread and roses !”

私たちは行進する 行進する 美しい昼間の街を
100万の煤けた台所が 数千の屋根裏の灰色の製粉部屋が
きらきらと輝き始める 突然の日の光に照らされて
人々が聞くのは私たちの歌 「パンと薔薇を! パンと薔薇を!」
(ブレイディみかこ訳)

この歌は、もとはと言えば、
1912年の、マサチューセッツでのデモの時歌われたものだそうです。
ほとんどが女子工員だった織物工場で、
そのデモは起こり、勝利しました。
その歌が、
1984年のイギリスでも歌われたわけです。

で、今日見たのは、ケン・ローチ監督の、
その名もずばり、

ブレッド&ローズ』(Bread and Roses) 2000年

です。
DVDがやっと手に入り、
見ることができました。

https://www.youtube.com/watch?v=5JdI9sCUP2s

舞台はロサンジェルス。
メキシコからの不法移民たちが、
清掃員として多く働く、とある巨大ビル。
そこでは、ひどい搾取が長年行われていたのですが、
それに対して、移民たちが立ち上がる物語です。
ただ、
そこはケン、ローチ、
単純でベタな、階級闘争のお話で終わりはしません。
移民たちそれぞれの「物語」の中には、
内臓を鷲掴みにされるようなものもあるのです……

いい映画でした。