2017年11月16日木曜日

「都市、そして池袋の今」


           (「女性には<輪郭>がある……」)

行ってきました、
東京芸術劇場での、

森山大道 × 倉石信乃
「都市、そして池袋の今」

なんというか、感動しました!

森山大道は、1938年生まれだから、現在79歳。
でも彼は、毎日のように池袋を
「ぶらぶら」して、
スナップショットを撮り続けているそうです。

「とにかく、撮らないとはじまらないでしょ!」

言うは易く、行うは難し、なんですが、
これができるからこそ、
その「感覚」は、「今」を感知できるのでしょう。
そう、彼は言います、

「写真は<今>を撮るわけです」

それは言葉を換えれば、「時間を定着」させることでもあるわけなんですね。
そしてその時間(の堆積)が、「輪郭」を生むのでしょう。
それは個人にも、都市にもあてはまるのでしょう……

また今日は、倉石さんの質問があまりに的確で、
森山さんの答えも、その分穿ったものになり、
会場はみな聞き耳を立て、
緊張感が漲っていました。
とりわけ、写真というものの無名性に話が及んだところでは、
ちょっと異様なくらい。
2人のお話を総合すると……

たとえばわたしが撮ったということはゼロにはできないけれど、
写真の本質が無名性にあることには変わりがない。
つまりイメージは「わたし」の所有物ではなく、
写真はその意味で所有性から解放されている。
写真の潜在的可能性は、そこにこそ見いだされる。
アノニマスである写真は、大文字のARTではない……

今日のクロストークは、
倉石さんのキレ味と、
森山さんの年輪がともに際立ち、
しかも示唆に富む発言に満ちた、
とてもいい会でした。
わたしも、もちろん素人として、
パリを撮りたくなりました!