2009年12月31日木曜日
よいお年を!
今年もあと数時間です。ここにきてやっと、年末感が高まってきました。
雑誌などを見ると、「今年」という切り口に加えて、「00年代」というまとめも試みられています。そう、たしかに、あと数時間で10年代です。
人間、歳をとるにつれて時間の進みが速く感じられるといいますが、そしてたしかにそういう面はあると思いますが、この10年は、あっという間に過ぎはしませんでした。ある意味(ってどういう意味?)、1番長い10年だった気もします。
今年は、個人的には、2度の旅行が印象的でした。5月の大連と7月のモントリオールです。
前者は、やっと活字になることを、先日ここでもご報告しました。後者も、書いてはあるのです。早く陽の目が見られますように!
活字といえばもう1つ、今年の春ごろ集中して書いていた「新宿もの」、これは来年の前半には活字になりそうです。タケちゃんががんばってくれています。
で来年の前半には、1つ大きな仕事があり、今はその準備にかかりきりです。近々、くわしくご紹介させていただきます。
来年も、どこか旅行にいくでしょう。またここで写真などアップできるのが、楽しみです。
というわけで、今年も読んでいただきありがとうございました。また、ここでご紹介したイベントなどに参加してくださったみなさんには、special thanks を送らせていただきます。来年も、みなさんにとって発見の多い年になりますことを、祈りあげます。
MERCI ❤
2009年12月30日水曜日
カレンダーとのし餅
ただカレンダーは、年が明けるとすぐに30%~50%引きになるので、おいそれとは買えません。(貧乏性ですがなにか!)でもそんなわたしでも、とりあえず2つ買いました。ま、元値が1400円くらいなので、まいいか。
実はこの4,5年は、Madonna のカレンダーを愛用してきました。まあ、同世代の頑張り屋さん、「現在」から降りる気配まったくなしの彼女にあやかろう、という魂胆でした。そしてこの2年ほどは、Madonna のとなりには Fergie のカレンダーも! にぎやかでっしゃろ?
ただ思い起こせば、ゴーギャンもマチスもブラックもホッパーも、ハーブ・リッツもメイプルソープもアッジェもハミルトン(!)も、イルカもネコも砂漠も森も月も宇宙も天使も、使ったことがあります。この前渋谷のロフトと東急ハンズでよく見ましたが、おお! という新鮮なものは見つかりませんでした。カレンダーの品揃えって、あまり変わらないんですね。
で今回買ったのは…… ドイツ語が書かれた森林モノ。それと、ほとんど見たことがある写真で構成された、手抜き丸出しのFergie のものです。これはアマゾンです。(でも中のレイアウトは、少しよくなっていました。書き込めるし。)
そして…… 夕方予約したのし餅を受け取ってきました。この米屋ののし餅、うまいんです。これはもう、ちょうど10年目です。この季節の楽しみです。
2009年12月29日火曜日
2009年12月28日月曜日
忘れちゃう
先週火曜日に授業が終わり、それから1週間経ちました。でも、もっともっと経っている感じがします。
人間の記憶は、後からの追加が多いとどこかへ行っちゃうらしいので、そういうこともあるでしょう。わたしにしては、あちこち行った週だったので。でも……
そういうこととは別に、ネット上でスクロールしながら読むものって、なんだか記憶に残らない、というか、頭に入らないなあ、と思っていたのですが、今日週刊文春の、われらが福岡ハカセのエッセイを読んでいて、ああそういうことか、と思いました。
わたしたちが本を読んでいる時って、ときどきすでに読んだところを振り返りますよね? え~っと、あの辺に書いてあったよな、たしか右側のページの下のほう…… なんて思います。(かつての試験の時も、あのページのあそこに書いてあるやつだ(思い出せないけど!)、 なんて思いましたよね?)
スクロールって、きりがないですね。それが、記憶に残らない要因のようです。のっぺらぼうで、ずるずると……(まあブログみたいなものなら、マシなのかもしれません。1ページ程度で、切れてますから。)
じゃあキンドルは? その意味では、いいってことになるのでしょうか?
人間の記憶は、後からの追加が多いとどこかへ行っちゃうらしいので、そういうこともあるでしょう。わたしにしては、あちこち行った週だったので。でも……
そういうこととは別に、ネット上でスクロールしながら読むものって、なんだか記憶に残らない、というか、頭に入らないなあ、と思っていたのですが、今日週刊文春の、われらが福岡ハカセのエッセイを読んでいて、ああそういうことか、と思いました。
わたしたちが本を読んでいる時って、ときどきすでに読んだところを振り返りますよね? え~っと、あの辺に書いてあったよな、たしか右側のページの下のほう…… なんて思います。(かつての試験の時も、あのページのあそこに書いてあるやつだ(思い出せないけど!)、 なんて思いましたよね?)
スクロールって、きりがないですね。それが、記憶に残らない要因のようです。のっぺらぼうで、ずるずると……(まあブログみたいなものなら、マシなのかもしれません。1ページ程度で、切れてますから。)
じゃあキンドルは? その意味では、いいってことになるのでしょうか?
2009年12月25日金曜日
旅行記
これは、今年5月に大連に行った時のことを書いた旅行記で、だいたい70枚ほどなのですが、これを3回に分けて、短期集中連載ということになっています。写真も入る予定です。
本が出る時もいつもそうなのですが、本当に実物が出てくるまで、どこか信じられない感じがあります。なにか訳のわからない事情で、出版が中止になるんじゃないかとか。今回の「現代詩手帖」の場合も、実はそれに似た感覚があるのですが、もう原稿は渡してあるし、予告も出たので、フツーに行けば出る、はずですね。「現代詩手帖」(今年創刊50周年を迎え、記念のイベントも大々的に行われました。)は、実はわたしにとって、もっとも親しみのある雑誌の一つです。で、子供っぽく喜んでいるわけなのです。
来年2月1日には、きっとまたこの話題を取り上げるでしょう。しつこくてすみません!(今年も残りわずかですね!)
シュルレアリスム
わたしは今、申し込みました。これです。
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◆『シュルレアリスムの25時』(水声社)刊行記念イベント
誰も知らないシュルレアリスム
野崎 歓(フランス文学者)×鈴木 雅雄(シュルレアリスム研究者)
■2月13日(土) 19時~ @池袋ジュンク堂
20世紀の思想や芸術に大きな痕跡を残し、いまもなお現代文化を挑発し続けている、シュルレアリスムとその運動。ブルトンやダリ、マグリットの作品は、日本でもよく知られています。しかし、彼らの表現だけがシュルレアリスムではありません!これまで注目されることのなかったユニークな画家や詩人、写真家たちを紹介しながら、「いま」「わたしたちにとって」のシュルレアリスムとは何かをめぐって、第一線で活躍するおふたりの論者に縦横無尽に語っていただきます。
◆講師紹介◆
・野崎 歓
1959年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授、フランス文学者。主な著作に『赤ちゃん教育』(青土社、講談社エッセイ賞)、『われわれはみな外国人である』(五柳書院)など、訳書にトゥーサン『浴室』、ソレルス『秘密』などがある。
・鈴木 雅雄
1962年生まれ。早稲田大学文学学術院教授、シュルレアリスム研究者。主な著作に『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』(平凡社)など、訳書にダリ『ミレー《晩鐘》の悲劇的神話』などがある。
***************************************************
シュルレアリスムにご興味がある方には、これは必須! イベントです。申し込み方法など、詳しくはこちらで。
http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk.html#20100213ikebukuro
今日はこれから、お茶の水へ!
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◆『シュルレアリスムの25時』(水声社)刊行記念イベント
誰も知らないシュルレアリスム
野崎 歓(フランス文学者)×鈴木 雅雄(シュルレアリスム研究者)
■2月13日(土) 19時~ @池袋ジュンク堂
20世紀の思想や芸術に大きな痕跡を残し、いまもなお現代文化を挑発し続けている、シュルレアリスムとその運動。ブルトンやダリ、マグリットの作品は、日本でもよく知られています。しかし、彼らの表現だけがシュルレアリスムではありません!これまで注目されることのなかったユニークな画家や詩人、写真家たちを紹介しながら、「いま」「わたしたちにとって」のシュルレアリスムとは何かをめぐって、第一線で活躍するおふたりの論者に縦横無尽に語っていただきます。
◆講師紹介◆
・野崎 歓
1959年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授、フランス文学者。主な著作に『赤ちゃん教育』(青土社、講談社エッセイ賞)、『われわれはみな外国人である』(五柳書院)など、訳書にトゥーサン『浴室』、ソレルス『秘密』などがある。
・鈴木 雅雄
1962年生まれ。早稲田大学文学学術院教授、シュルレアリスム研究者。主な著作に『シュルレアリスム、あるいは痙攣する複数性』(平凡社)など、訳書にダリ『ミレー《晩鐘》の悲劇的神話』などがある。
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シュルレアリスムにご興味がある方には、これは必須! イベントです。申し込み方法など、詳しくはこちらで。
http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk.html#20100213ikebukuro
今日はこれから、お茶の水へ!
こんな本
http://www.bunshun.co.jp/jicho/0912inose/index.htm
そんなことだったんですね。
2009年12月23日水曜日
ラーメンと音圧
開始が午後6時だったので、まずは軽く腹ごしらえ。センター街をふらふら歩き、宇田川町交番からはハンズの方向へ。途中、吉野家もハナマルもカレーのサムラートもサンマルク・カフェもキリン・シティーもラーメン桂花もあって迷いましたが、結局少し戻り、通りかかった「神座」というラーメン屋に挑戦してみました。
宣伝文句によると、なんでも道頓堀店が、Yahoo のラーメン屋さんランキング1位だとか。
広い店内は、ロの字型の白いカウンターがあり、その内部はオープン・キッチンという風情。それだけでも、従来のラーメン屋さんとは違う雰囲気なのに、ライトはハロゲン(たぶんE17で、広がりは「中」くらい。)だし、男女3人ずつの店員さんはみんな若い! そしてお揃いの、清潔な半袖の白いユニフォームを着こんでいます。まあ一言で言って、いい感じです。
で、肝心のお味です。わたしが頼んだのは、一番安い(¥650)「おいしいラーメン」というもの。これが基本で、色んなトッピングを足していく方式です。
結果:チャーシューは、厚めの肉はとてもおいしかったです。ただ薄めの肉は、ちょっとぱさついたものもありました。麺は細いです。そしてスープは、一応コクがあっておいしい、のですが……
これは安いラーメン屋さん(バーミヤンとか、幸楽苑とか)に共通することなのですが、最後に、口の中に化学的なものが残る気がします。これはたとえば、同じチェーン店でも、花月などではあまり感じません。
もちろん、高級店でも、化学が活躍している店は多いと聞きます。中国料理の有名シェフが、「今日の料理」で、うまみ調味料を入れる指示をしている場面を見たこともありますし。
でも、初めての店に入ってみるのは、やっぱりちょっと面白いですね。
そうそう、その後の収録も、無事終了しました。ただ、レナさんはちょっと風邪気味で、声自体は普段と変わらなかったんですが…… 音圧って言ったらいいのか、ほら、向かい合って座っていると、相手の声の「圧」みたいなものを感じる時がありますよね? 今日のレナさんの場合、ちょっとそれが弱い気がしました。そのへんが、風邪ってことなんでしょうね。
みなさんも、風邪に気をつけて!
2009年12月22日火曜日
授業終了!
あと今年の予定といえば、明日の収録、金曜の打ち合わせ、土曜の打ち合わせ、この3つだけです。それさえ終われば、晴れて、たまった仕事が始められます。(Sigh...)(←スヌーピー風)ま、それはともかく。
おとといのM-1、やっと昨日今日で見ることができました。これを見ると、年末感が高まりますね。
優勝したパンクブーブー、圧倒的でした。たしかに、アンタッチャブル風ではある(とはいっても、どっちが先かはわかりませんが)けれど、面白いのはたしか。おめでとうございます!
ネット上には、「質がさがった」なんて評も見られましたが、なんのなんの、わたしはそうは思いませんでした。
そしてわたしが応援している「東京ダイナマイト」。面白かったですよね? もちろん、優勝がどうのとは言いませんが。なんでしょうね、わたしはあのコンビ、やっぱり好きです。
◇
明日、です!
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◆管啓次郎研究室オープン・ゼミのお知らせです。
文化人類学者・言語学者にして永遠の旅人。西江雅之先生は、ぼくが30年前にピジン・クレオル言語学を初めて教わった恩師です。この偉大な歩行者から、われわれの「WALKING 歩き、読み、考える」展(明治大学生田図書館ギャラリー・ゼロ)についてのご感想と、歩くこと一般について、さまざまな旅についての、お話をうかがいます。
日時 12月23日(水・祝)15:00~16:30
場所 明治大学生田キャンパス A館401教室
■事前申し込みは不要ですが、必ずあらかじめ上述の展示を見ておいてください。
■どなたでもご参加いただけますが、あくまでも大学院ゼミの一環だということをご理解ください。
■A館は生田キャンパスのもっとも高い建物。すぐわかります。
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だいぶ迷ったのですが、わたしは明日の夕方から収録に備えて、家で休んでいることにしました。でも、きっと面白いと思います!!
2009年12月21日月曜日
ワークショップ、楽しかったね!
詳細は、管さんのブログにきれいにまとめられているので、そちらをご覧くださいませ。管さんの作品も読めます。
http://monpaysnatal.blogspot.com/
(参加なさったみなさん、管さんの朗読、すごかったでしょう? 管さんは今度、アメリカに行くんです、朗読しに!)
でも本当に、参加してくれたみなさんが、質の高い詩を作ってくださったおかげで、とても充実した会になったと思います。ワークショップの発表の時間などは、完全にお客さんの気分で、みなさんの発表&朗読を楽しんでいました。参加してくださったみなさんに、燃える MERCI ! を!
トークの時間帯では、なんだかとりとめなくしゃべってしまいました。聞いていて頭が混乱なさったかた、わたしのせいですからご心配なく!
トータルで嬉しかったのは、このブログを読んできてくださった方や、「フラ語」を使ってくださってる方にお目にかかれたこと、春の西江先生の会の折りにおしゃべりした方と再会できたこと、そしてまた知り合いが増えたことです。ネット上の親友とも、はじめて会えたし。
スタッフのみなさんも、お疲れ様でした。写真家の広瀬さん、お話しできて嬉しかったです。長時間ありがとうございました!
2009年12月19日土曜日
A demain !
さてさて、いよいよ明日は「東京詩」ワークショップです。今日は、その準備をちゃんと(Vraiment ?)しました!
実は、ワークショップのほうはそんなに心配していません。参加者の皆さんの作品があるので、それが中心ですから。問題はむしろそのあとのトークです。参加者全員が『東京詩』を持っていてくださるなら、まあ「拡大版ゼミ」みたいなこともできるんですが、そうもいかないでしょうし。(でももしお持ちでしたら、すみませんがご持参くださいませ。)
明日は13時からですね。たぶん、30分前には行ってます。A demain !
忘年会@会議室
午前中はいつも通り授業をして、午後には会議が2つ。(1つは短く、1つは長い!)でそのあと、短いほうの会議をしたのと同じ部屋で、忘年会とあいなりました。
生田キャンパスは緑に恵まれ、ある種(ってどんな種?)の「パラダイス」を形成しているのですが、難点もあります。それは、近場に適当な飲み屋が僅少なこと。特に、総合文化教室14人(プラスゲスト)を受け入れ可能な店となると…… で、会議室忘年会となるわけです。
でもわたしは、会議室忘年会が嫌いじゃありません。その理由は、まず、安いこと。(会費は2000円ポッキリ!)それに、お店の喧騒がないので、話しやすいこと。そしてもちろん、なんといっても気楽なこと。
無口なわたし(?)以外は、おしゃべりな先生たちが揃っていて、しかもみんなお話が上手なので、これを聞いているだけでも十分楽しめます。たとえば……
中国の「都市」といえば、それはやっぱり北京。なぜなら北京には、ユーラシア大陸の人やモノが流れ込んでいて、しかもそれは千年以上続いており、層の厚い混沌を形作っているから。じゃあ上海は? あれはヨーロッパから見たNY。若くて元気だけど、混沌そのものもまだ若い。
東京オリンピックの前は、線路に向かって立ちションをする人がとても多かったけれど、大会後、その数は激減した。
ロンドンの食の貧しさは有名だけれど、もしかの地でおいしいものが食べたかったら、インド料理かレバノン料理を選ぶべし。
フランツ・ヨーゼフⅠ世は、とても早食いで、一緒に食べる側近たちは困っていた。
……なんとまあとりとめのないことばかりですが、宴席ということで……
◇
今日左右社から、京都新聞と日本海新聞の切り抜きが送られてきました。わたしの大好きな詩人、川口晴美さんが、『東京詩』の書評を書いてくださっていました。う~ん、望外の幸せとはこういうことでしょうか? しかも、とてもきっちり読みこんでくださっていて、ありがたいことこの上なしでした。川口さんに、感謝…… (日曜のワークショップ参加者の皆さん、その時にこの書評のコピーをお配りしますね。)
※画像は川口さんの詩集、『lives』。この詩集、とても好きです。
2009年12月16日水曜日
WS近し 冬の夕暮れ
先日書いた頭痛がまだ治まりません! で、ちょっと探したら、近場に「頭痛外来」があったので、今日行ってみました。
結果:緊張性頭痛と片頭痛の混合タイプ。そして今回の主因は、肩こり! ということでした。は~、そうなのね~
でその過程で、生まれて初めてMRI なるものに挑戦しました。筒の中に入ること約15分。ノイズというか現代音楽というか、さまざまな音に包まれ、でも痛くも痒くもありません。放射線じゃないので、何度受けてもOKだそうです。(そんなことさえ知りませんでした。)
というわけで、PCを使わず、目が疲れるから本も読まず、さまざまなストレスを避け、水泳でもして、ゆっくりお風呂に浸かれば、よくなるでしょう(って、ムリじゃん!)
◇
さて、日曜のワークショップが近づいてきました。お天気は持ちそうで、よかったです。(ま、雪の東京もまたオツかもしれませんが。)「東京」と付いてはいますが、なんといっても「詩」のイヴェント。アバクロのように半裸のイケメンがいるわけでもなく、ゲストにDJ KAORI が来るわけでもなく、ミラーボールもカクテルもユーロビートもありませんが、地味は地味なりに、滋味のあるものになるといいんですが。空回りも含めて、準備しています!
2009年12月13日日曜日
フランコフォニー@早稲田
1時半から6時半まで、5分休みを2回挟んだだけで、なかなか充実した会でした。10ヶ国の大使館員が集合し、彼らの話を聞くことで、会は進んで行きました。
第1部は「アフリカ」。ここではアルジェリア、カメルーン、ジブティ、ブルキナファソの大使館員が登場。これはきっとめったにないことで、圧巻でした。ただプレゼンとしては、まあ学生に焦点を合わせたということなのでしょう、やや型どおりの印象もありましたが。できればもっと、ミュージシャンとか、映画とかの紹介もあるとよかったかな、You Tube でも使って?
そして第2部は、「北米・カリブ海」。ハイチ、カナダ、ケッベクです。この第2部の終わりに、個人的には「本日のクライマックス」がありました。(あくまで個人的な印象ですよ。)
1通り話が終わり、質疑応答の時間になりました。で、まったく質問が出ない感じなので、わたしがつまらないことを訊いてみました。「ハイチの次の大統領がワイクリフ・ジョンだっていう噂がありますが?」
プレゼンのときは、むしろ事務的な感じだったハイチ大使は、今度はニヤニヤして答えました。
「確かに彼は貧困層の救援活動なんかをしてるし、政府の機関のメンバーでもあるけど、大統領はないかな?」
そういうと、彼はわたしを見て小さくウインクしました。そして次に出た質問は、「ハイチ(系)文学はケベックなどで黄金期を迎えているという紹介がありましたが、それはフランス語が、深い内容を書くのに適しているからですか? それとも……?」
それはどうでしょう? とわたしは思いましたが、割って入って答えたのはケベックの代表者でした。いわく、おっしゃる通りフランス語は、わがケベックの文化活動の原動力の一つです!
で、当のハイチ大使は、ちょっとモゴモゴしゃべってましたが……
で、ついわたしは、(でしゃばりを顧みず)さらに尋ねてみました、ハイチの人のアイデンティティーは、クレオール語ではないのか? と。
ハイチ大使の表情が変わるのがわかりました。そして口調も、今までとは一変しています。
「わたしの父も母も、クレール語で話します。わたしもクレオール語で育ちました。だからフランス語は、わたしの母語ではありません。ハイチでは、教育を受けた者だけがフランス語を話すんです。そして国の大半を占める農民たちは、フランス語を勉強することはありません。みんなクレオール語で生きています。ということは、たとえばケベックにも、フランス語のできないハイチ系の人間はいます。ボートピープルと、彼らは呼ばれます。ハイチは、クレール語を公用語に定めました。わたしたちはクレオール語を話します。しかし、もしクレオール語しか話さないなら、わたしたちは孤立してしまうでしょう。わたしたちはフランス語を勉強するのです……」
彼は、わたしをみつめて話しました。彼の声音には、本音を語っている時の深さがあると、わたしは感じました。
そして5分休み。わたしがロビーにいると、ハイチ大使はわざわざやってきてくれて、手を差し出しました。
「ありがとう、さっきの質問。よく訊いてくれたよ」
「実は、メリッサ・ラヴォーもエムリン・ミッシェルも好きなんです」
エムリンの名前を聞いた時、彼はちょっと驚いた顔をして、握手していた手に一層の力をこめました。Je vous remercie...
そして第3部は「ヨーロッパ」。スイス、ルーマニア、フランス海外県です。
ここで面白かったのも、実は質疑応答でした。アフリカの大使の一人が、フランス大使館員に向かって尋ねたのです、「フランス」のアイデンティティーってなんやねん? と。
フランス大使館員は、フレドリーな人だったので、なんとかにこやかに切り抜けようとするのですが…… まあね、これは質問そのものが答えにくい上に、周りにいろんな国の大使館員がいるので、気楽には答えられなくて…… 結局「模索中」みたいな答えで終わってしまいました。
アイデンティティー。これはもう何度か書きましたが…… 宮内勝典さんがおっしゃっていた「アイデンティティーを求めることから、すべての争いが生まれるんだ」という言葉が、わたしは忘れられません。そう、そこに「国」がある限り、人類の平等は原理的に不可能なのですね。
……というわけで、「チョー勝手」な感想を書いてしまいました。でもやはり、意味のあるシンポジウムだったと思います。スタッフの皆様に感謝。(高瀬先生、知らせてくださってありがとうございました。とても分かりやすく、親しみのもてる司会ぶりで、感心しました!)
※会の様子はこちら;
http://ajeq.blog.so-net.ne.jp/
2009年12月12日土曜日
cuissarde は
記事とはいっても、要するに商品とその宣伝文句なんですが、やはり広告文には、独特の省略や、多様な「本歌取り」が含まれるので、ちょっと難しいところもありました。ま、それはともかく。
今日のプレゼント候補リストの中には、cuissarde が混じっていました。この「ニーハイブーツ」、実はしばらく前に読んだ「ファッション・チェック」の記事でも登場していたのですが、そしてその時は気にしなかったのですが、これ、ほんとに「ニーハイブーツ」でいいんでしょうか?
というのも、cuisse は「腿」だし、最近は日本でも、「サイハイブーツ」という言葉を目にするようになったからです。そう、「サイ」は thigh (腿)ですね。となると、cuissarde の訳としては、こちらのほうがいいような気もしてきます。
画像検索してみると、なるほど、cuissarde も thigh-high boots も、似たようなものがたくさん見つかります。う~ん、やっぱりこっちかな?
2009年12月10日木曜日
「現代詩手帖」12月号
そういう気になった中の一篇、朝日新聞の「論壇」で宮台信司さんが挙げていた「東京が、<生ぬるい>街になった理由」(磯崎新/中央公論8月号)を読みました。
これがねえ、なかなか面白い。都市の未来は廃墟だ、というのはかつての磯崎さんの言葉で、それに従えば、今の東京は「廃墟」だということになるわけです。磯崎さんが言うとおり、たしかに「理想都市」なんかになってはいません、東京は、今。
そして、やや図式的に言うなら、19世紀の都市・パリ、20世紀の都市・NY、に続いて、21世紀の都市・東京、になるはずだったのに…… と彼は言い、そうならなかった理由について検証しているのです。
21世紀は…… 上海! そしてやはり「情報」の扱いが、都市の性質を根底から、つまり21世紀的都市に生まれ変わらせるヒントになるだろう……
ちょっと分かりづらい箇所もありますが、とても刺激的な文章でした。
それにしても、この「現代詩手帖」の12月号、2600円とやや高めではありますが、読み応え抜群です。たくさんの詩人の、今年の代表作が(100ページ以上!)掲載されているので、十分モトとります。そして、さっきも触れた「今年の収穫」で面白そうな本をチェック! というわけです。年末のひと時、現代詩の最前線はいかがでしょうか?
2009年12月9日水曜日
This is it !
先日の久しぶりの収録のときは、わたしは見ていればよかったのですが、今日はわたしもしゃべらなくてはなりません。でも、相手が仲良しのレナさんなので、気持ちは楽です。それに、スタッフは優秀な人ばかりなので、なんというか、最近の若者は頼もしいなあ、と、感心しきりです。
(先日、同僚の林さんと話していて、「この頃仕事に現場で、ふと気づくと自分が最年長のことがあってびっくり」とわたしが言うと、「でもそれは当たり前。わたしだって、前までは、<年下の>編集者、って感じで思ってたけど、この頃は、<わたしの子供みたいな>編集者、ってときもあるんだから!」と、言われてしまいました。まあ、林さんはまだまだ若いので、実際に親子の年齢とは程遠いのですが。)
スタッフのみなさんが色々準備しておいてくださったので、細かい決めごとなどもスムーズに済み、収録も、まあスムーズにいったほうだと思います。(予定していた量には届かなかったんですが、スタジオの使用時間が尽きてしまい、残りは次回に持ち越しとなりました。)
そしてその後、ラ・ボエームというイタリア風居酒屋へ。ZESTの系列店らしく、若い女性が好みそうな内装、そしてメニューです。
その席で、わたしはユキさんという、情熱的に仕事をこなす若き女性プロデューサーと話したのですが、彼女はなんと、This is it ! を3回も見たというのです!
実はここ最近、マイケル好きをカミング・アウトする人たちがわたしのまわりでも少なくないのですが、さすがに3回見た人は初めて会いました。しかも、早くもDVDも予約したというのです、ブルー・レイ版で!
「だって、特典映像がだ~いぶ長いんですよ、ブルー・レイのほうが! ただ、1つだけ問題があって…… 実はウチのプレーヤー、ブルー・レイ再生できないんです!」
なるほどねえ、ソフトがハードの売り上げを上げるってのは、本当なんですね。
ちなみにレナさんは、他の女性スタッフたちとガールズ・トークに余念がありませんでした。がんばれ恋活!?
2009年12月7日月曜日
禁酒!
といっても、まあわりと軽い痛みで、それもスイッチが入ったり切れたり、という感じで、寝込むほどでは全然ありません。ま、授業もやってたし。
それは薬の飲み過ぎだ、という御忠告もあり、たしかにそんな気もします。馴化、っていうんでしょうか、たとえば麻薬でも、だんだん効かなくなるのと同じ事情のようです。で、薬はだいぶ減らしました。
でも、実は明日大事な仕事があるので、できればよい状態で臨みたいと思って、近所のお医者さんへ。(おしゃべり好きな、いい先生です。今日はラグビーの話をしました。)いわゆる痛みをブロックする市販薬タイプではなく、血管を収縮させる偏頭痛用の薬を出してもらいました。その名も、イミグレン。
でも、そのイミグレン、まだ飲んでません。そう、軽い痛みなので、あわてて飲むほどじゃないんです。明日の朝、また左のこめかみがモヤモヤしてたら、イミグロウと思います。
そうそう、ついでにお酒を止められました。血管が広がるのはダメ、だそうです。う~ん、これから忘年会シーズン(といってもほとんどないんですが)を迎え、飲めなくなってしまいました! まあねえ、1回飲んで1週間頭痛するんじゃ、ワリが悪いです! しばらく禁酒します!
◇
さてさて、ジュンク堂でのイベント、HPにアップされましたので、ご報告いたします。
http://www.junkudo.co.jp/shop2.html
これはわたしも楽しみです!
2009年12月6日日曜日
テレビ&WALKING展
面白いのは、見てる番組が木曜に集中してること。なんと、3つもあります。
まず、午前10:05からの「知る楽・選」、<池澤夏樹の世界文学ワンダーランド>です。これは再放送をまとめたものなので、2本1度に放送されます。次回は;
http://cgi4.nhk.or.jp/topepg/xmldef/epg.cgi?setup=/shiruraku/shiruraku
そして2番目も、やはり「知る楽」。これは先週(夜10:25~)から始まった、佐藤可士和が「デザイン力」について話す番組です。
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/thu/index.html
今度の木曜の早朝に、第1回放送分の再放送があります。面白かったです。アート・ディレクションとは何か? なんてことについて話してくれます。
そして最後は、(batayamも見ているという)「ブラタモリ」。これは実は、学生のKクンに勧められて見てみたのでした。
http://www.nhk.or.jp/buratamori/
タモリが、東京のあちこちを「ブラ」ブラするという、まあちょっとユルメですが、その分見ていて疲れない、楽しめる番組です。上の2つほどは、集中しなくて大丈夫です。そしてこれは、放送時間が上の番組とかぶってるんですが、実はこれも、同じ木曜の午後4時に(先週分の)再放送があるので、わたしはこちらを(録画して)見ています。
◇
さて、明日から、こんな展示があります。渾身の力作のようです。
http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/dtl_0005251.html
お近くを通ったら、ぜひお立ち寄りくださいませ。
2009年12月5日土曜日
Drogba
さて、W杯の組み合わせが決まりましたね。ドログバ好きのわたしとしては、彼が率いるコート・ディヴワールの試合を多く見たかったのですが……
A組:南アフリカ、 メキシコ、 ウルグアイ、 フランス
B組:アルゼンチン、ナイジェリア、 韓国、 ギリシャ
C組:イングランド、 米国、 アルジェリア、 スロベニア
D組:ドイツ、 オーストラリア、セルビア、 ガーナ
E組:オランダ、 カメルーン、 デンマーク 日本
F組:イタリア、 パラグアイ、 ニュージーランド、 スロバキア
G組:ブラジル、 北朝鮮、 コートジボワール、 ポルトガル
H組:スペイン、 スイス、 ホンジュラス、 チリ
G組って…… とにかく、ドログバの活躍に期待します!
それに対してフランスは、ネット上で見る限り、ナイジェリアの分析に余念がない様子。それって、つまりフランスがA組を1位通過して、ナイジェリアがB組を2位通過する前提で話してるんですね。サッカーの強い国っていうのは、そんなもんなんでしょうか?
2009年12月3日木曜日
フランコフォニーを発見しよう!
Ça va ?
Il fait froid aujourd'hui !
Nous sommes déjà en decembre... Le temps passe si vite !
そうです、もう12月です。年取るわけだ!
さて、わが理工学部と同じキャンパスには、農学部もあります。そちらにいらっしゃる高瀬先生から、こんなお知らせがきています。高瀬先生も、司会として登場なさるようです。
*********************************************
フランス語圏大使館合同シンポジウム
「フランコフォニーを発見しよう!」
フランコフォニーとは、フランス語を話す国と地域が集まって推進する国際運動で、フランス語による友情と連帯、文化の多様性を促進しています。
「フランコフォニーを発見しよう!」では、日本にあるアフリカ、北米・カリブ地域、ヨーロッパのフランス語圏の大使館の大使や広報担当者が、それぞれの国や地域の文 化や歴史などを紹介いたします。
各セッションのQ&Aでは、各国の外交官が皆様の質問に直接お答えいたします。フランス語を学習している方はもちろん、フランス語圏の多様な文化に興味がある方にとって、多くのフランス語圏の国々の文化を知る大変貴重な機会です。
日時:2009年12月13日 (日)13:30-18:00
場所:早稲田大学総合学術情報センター 国際会議場 第2会議室東京都新宿区西早稲田1-20-14
言語:フランス語、日本語
参加費:無料(要申込み) 定員:先着100名
お申し込み 1. お名前、2. メールアドレス、3. お電話番号、4. ご同伴者のお名前を記入の上、
tokyo.cc@international.gc.ca までメールをお送りください 。
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プログラム
13:30-13:45 ご挨拶とフランコフォニーの概要
アホメドアライタアリ ジブティ共和国大使(日本におけ るフランコフォニー推進会議議長)
立花英裕 早稲田大学
13:45-15:15 第1部「アフリカのフランコフォニー」
司会:粕谷祐己 金沢大学
アルジェリア、カメルーン、ジブティ、ブルキナファソ
15:20-16:35 第2部「北米・カリブ地域のフランコフォニー」
司会:小松祐子 筑波大学
ハイチ、カナダ、ケベック
16:40-18:00 第3部「ヨーロッパの フランコフォニー」
司会:高瀬智子 明治大学
スイス、ルーマニア、フランス及び海外県
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なんだかめちゃめちゃ面白そうですね! 3部とも、Q&Aのコーナーがあるようなのも魅力です。ぜひ行きたいです!(画像はフランコフォニー地図です。)
2009年12月1日火曜日
全貌
東京文化発信プロジェクト WHAT AM I DOING HERE ?
のことですが、ワークショップの全貌はこんな感じです。これが全部タダなんて!
http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/dtl_0005260.html
「東京詩」、すでにお申込みが数件あるそうです。ご近所お誘い合わせの上!
あんた達
http://www.youtube.com/watch?v=JQQkI4W6_r8
そしてこの曲のサビは;
I'm an alien, I'm a legal alien
I'm an Englishman in NY
そしてもちろん、この曲のカバーと言えば、われらがBEP のUnionです。
http://www.youtube.com/watch?v=rT_-Ln7eWpw
この曲のサビは;
Let's start a union, calling every human
It's one for all and all for one
でここまで来たら、ファコリーももう1度。
http://www.youtube.com/watch?v=ATtFpc7N-js
サビは;
Ho ho un peu en exil, étranger dans votre ville
Je suis Africain à Paris
(ああ、少しばかり追放された気分さ、あんた達の街で、俺は他人
俺はパリのアフリカ人)
耳に残るのは、votre (あんた達の)という形容詞です。彼は歌います;
C'est pas l'enfer ni le paradis
d'être un Africain à Paris
(地獄でも天国でもないよ、
パリでアフリカ人であるということは)
そして唐突に、へんなことが思い出されます。疎開中の3年間、いやというほど田舎(東北)で疎外された詩人の岩田宏は、戦後逆に、東京に出てきて東北人の疎外を書いた黒田喜夫の詩を読み、こう書いたのです。
ざまあみろ! わたしたちはきみらのところで余計者だった。今度はきみがこの都会でよそ者になる番だ。
そう、この時東京は、黒田にとって「あんた達の街」以外ではなかったでしょう。
(ただし、岩田の名誉のために付け加えれば、彼はすぐ後でこう書きます。「……そして突然、都会と農村、労働者と農民という図式が雲散霧消した場所で、わたしはかれを兄弟のように感じる。」)
でも…… 都会育ちでも、都会から疎外されることって、珍しくないんですよねえ……
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